ON THE ROAD ~walk slowly~

RIM TO RIM(グランドキャニオン縦断), US

先日紹介したようにグランドキャニオンの谷を挟んで北側(ノースリム)と南側(サウスリム)に観光ポイントが設けられている訳ですが、そこを繋ぐトレイルが存在します。
直線距離にして約16km程度の距離ですが、トレイルの場合だとうねうねと曲がりくねった道が主となるため39kmという距離になり、車では大きく渓谷を迂回する必要があり340kmもの距離となります。

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コンドルのように飛べばたったの16キロ。

上から見たら壮大すぎて何がなんだかわからないグランドキャニオン。
そこにトレイルがあるのであれば、その大きさ、深さを体感しようと歩くことを決意しました。
ちなみにノースリム、サウスリムのリム(RIM)とは縁のことで、この間のグランドキャニオン縦断のトレイルを歩くことをリムトゥリム(RIM TO RIM)と呼んでいます。

40キロ程度の距離なので、二日に分けて歩けば十分なのですが、バックカントリー入場の申請時(キャンプ泊で歩く場合は、許可が必要。詳しくは下に。)にレンジャーから今は本当に暑いので昼間の時間帯に歩くのは危険。
他にもキャンプサイトがあるので、数日に分けて歩くよう勧められたので、即答でその勧めに従うことにしました。
結果、本当に想像を絶する暑さでこの選択をして良かったと思いました。

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一日目、レンタカーでサウスリムからノースリムへ移動。
400キロ以上の距離になるため、急いだはずですがノースリムに着いたのは4時頃で、歩き始めたのは5時頃になってしまいました。
暑さも落ち着いて歩きやすくはあったのですが、暗くなってしまうとどうしようもないので、一日目のキャンプ地コットンウッドまで10キロほどを早足に下りました。
ここを歩いていて思ったのは、こんな崖っぷちにトレイルを作るのにどれだけの時間と労力が要ったのか?
時には崖を削り、つづら折りのトレイルがひたすら続きます。一歩踏み外せば、そのまま谷底へという場所も少なくなく、振り返るとそこには堂々とそびえる壁がそびえ立ち、どこを歩いてきたのは判然としないほど。
日は完全に落ちきっていましたが、三時間ほどで目的のキャンプサイトにたどり着きました。

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この谷を降りてきたのですが、どこを通ってきたのやら…

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二日目、渓谷の谷底、コロラド川沿いのブライトエンジェルのキャンプサイトを目指し、この日も10キロほどのトレイル。
日の出とともに起きて、歩き出しました。
日が昇りきって、気温が上がりきらないうちに歩いてしまうのがこのトレイルの重要なところ。
二日目は、一日目と異なりコロラド川へ流れ出る小さな支流が作り出した狭い渓谷を歩きます。
東西に流れるコロラド川だけではなく、この数多くの支流が作り出した渓谷がグランドキャニオンの複雑な景観を生み出しているのですね。
南北に走るトレイルのため、日陰も多く気持ちよく歩くことが出来ました。
グランドキャニオンの上から眺めているだけでは想像できないような緑豊かな景色がそこには広がっていました。
ブライトエンジェルのキャンプサイトは川沿いにあり、気持ちよいサイト。
昼ごろに到着した時にはなんと45度!もあり、昼寝をしていても、本を読んでいても汗が吹き出てきます。
木陰に入っていてもその温度なので、正直すぐに熱中症になるんじゃないかという状況。
そんな時には、この川に入ってリフレッシュ出来るのが最高でした。

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渓谷のオアシス、エンジェルブライトのキャンプサイト。

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この日は華氏110度(摂氏45度)ぐらいまで気温が上がったようです。。。

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耳が特徴的なミュール鹿との出会い。動物との出会いも多く、人間が彼らの住処にお邪魔させてもらってるのを実感出来ます。

三日目はいよいよキャニオンを上ります。この日も10キロほど。
早朝に出発し、コロラド川にかかった橋を渡りあとはひたすら上っていきます。
汗が吹き出てきますが、その暑さと乾いた風がすぐに汗を蒸発させ不快感はありませんが、喉の乾きは尋常ではなく2~3リットルの水があっと言う間になくなりました。
この日も10キロ程度歩いて、インディアンガーデンのキャンプサイトに到着。
暑さは谷底に比べるとマシには感じるが、それでも汗がひたすら吹き出てくる。
昼間は昼寝や読書をして過ごしました。
夕方からプラトーポイントと呼ばれる展望台へ。
ここはグランドキャニオン(サウスリム)からの見え、先日のキャニオン観光でも見ていたので、今こうしてみるとすごいところを歩いているなと実感出来ます。

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ただひたすら登ります。

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プラトーポイントへのトレイル。

キャニオンの上から見た景色。
手前の見える細い線がこのトレイルです。
ちなみに奥に延びる細い渓谷をずっと歩いてきたことになります。
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四日目は最終日。この日も10キロほどですが、三日目よりさらに急な坂道をウネウネと登っていきます。
ここは一般の旅行者もデイハイクで歩くトレイルなので、軽装な観光客とすれ違い、大きなバックパックを担いでいると物珍しいのか声をかけられながら、ちょっとした達成感もあり楽しく歩くことが出来ました。
こうして改めて初日に眺めたキャニオンを自分で歩き、再度見下ろした訳ですが、「ああ、あそこを歩いたんだ」とか「あそこはあんな景色だったな」とかまた違った目で楽しむことが出来ました。
そして、午後のシャトルバスでまた4時間ほどかけてレンタカーを泊めてあるノースリムへ戻った訳であります。
余談ですが、ノースリムに戻ってからのキャンプサイトがどこも満員で途方に暮れてしまいました。
運良く同じシャトルバスだったアメリカ人教師の二人とサイトをシェアさせてもらい無事寝床を確保しましたが、特に人気の国立公園では事前の準備は怠らないことをお勧めします。

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米粒のようなのがトレッカーです。

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ほぼゴール手前から。歩いてきた渓谷を遠くに望みます。

今回この大自然の中に入った訳ですが、それでもある程度整備されたトレイルを歩いた訳で、このグランドキャニオンを始めて発見した探検隊やこのトレイルを切り開いた人に比べるとその苦労は遥かに少ないんだなと思いました。
というよりも、歩いたのはあくまで自然の入り口に過ぎず、本当の自然はもっと強大で、恐ろしい存在で、だからこそ美しいのだと思います。凡庸な表現ですが、人間てほんとにちっぽけだなと。
今、可能な限りその自然の中に入っていきたいという願望と同時に恐怖を感じています。
これからまた世界を見て回る中で、そんな大自然に敬意を払い、真摯に向き合っていきたいと思います。

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<<旅情報>>
このトレイルを歩くために必要となるのが、宿泊場所。
キャニオンの底、谷を深く削ったコロラド川沿いにファントムランチという宿泊施設と無頼とエンジェルというキャンプサイトが用意されています。
ただし、いずれも定員が設けられていて、特にファントムランチは通年満室状況なので、テント泊を考えていない場合は、相当前からの準備が必要になります。
キャンプサイトも同様なのですが、今回夏まっただ中の灼熱の時期ということであまり歩くトレッカーも少なかったようで、申請日には許可を取ることが出来ました。

また、このRIM TO RIMはバックカントリー(車などで一般の観光客が入れないトレイルが整備された場所)ですので、キャンプサイト利用の申請とともに、バックカントリー入場の申請が必要になります。
通常、どの国立公園にもバックカントリーインフォメーションセンターが設けられており、そこで入場、キャンプサイト利用の許可を得ることになります。
ただし、大体どこの国立公園でも入場制限が設けられており、今回のような人気のRIM TO RIMの申請の場合、事前に許可を得た方が確実でしょう。
ファックスを送ってなど手続きが必要です。電話での予約は不可ですが、空き状況は確認出来るようです。RIM TO RIMの申請ページはこちらから。
http://www.nps.gov/grca/planyourvisit/backcountry-permit.htm
と、非常に一部の人(というか一人、笑)に向けての情報でした。

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これはノースリムの入り口付近。

次は、ザイオン国立公園!!

D7000 + 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR

http://www.flickr.com/photos/powerwoods/sets/United States/
写真随時更新中!
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by powerwoods | 2012-07-20 08:31 | United States