人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ON THE ROAD ~walk slowly~

ハーフドーム, ヨセミテ国立公園, US

日本名:ヨセミテ国立公園
正式名:Yosemite Forest National Park
地域:カリフォルニア州
面積:3082km²
創設年:1890年
URL:http://www.nps.gov/yose/
備考:世界自然遺産(1984年)
訪問日:2012年7月6日〜7月9日

関連記事:
ヨセミテ国立公園, US
マリポサグローブ, ヨセミテ国立公園, US

※2013年度版の情報を追加してます。

DSC_3057

ヨセミテ国立公園は約1000万年前にシエラネバダ山脈が隆起し、その後氷河期に降り積もった雪、氷がこの渓谷を深く削り、花崗岩が林立する今の景色を作り出したと言われています。
その中でもヨセミテ国立公園の象徴、ハーフドーム。
ビレッジのある渓谷側からみるとほぼ直角に切り取られた絶壁で、かつては登ることが不可能に思われていたこの花崗岩の巨大な固まりもクライマーの手によって制覇され、今では丸みを帯びた南東面の岸壁にケーブルが張られて一般の登山者でも登れるようになっています。
ケーブルが張られて以降このハーフドームに挑戦するのには誰でも登ることが出来たのですが、死亡事故が起きてしまったこともあり、現在はケーブルがはられるの観光シーズン(5月25日~10月8日、2012年度)の間は、混雑回避のため一日400名の入山制限が設けられ、ホームページでの予約制となっています。それ以外のシーズンはケーブルは撤去されているので登ることは出来ません。

DSC_3243
グレイシャーポイントから見たハーフドーム。

予約情報については、下で詳しく書いていますので参考にしてください。
インフォメーションセンターや駐車場、キャンプサイトがあるビレッジからこのハーフドームを往復する場合、約22キロ(ジョンミューアトレイル経由の場合は26キロ)の距離を歩く必要があります。
日帰りでも可能ですが、往復10時間ほどの行程でビレッジからハーフドームの裏側に回り込むまで急な渓谷をひたすら登ることになり、またハーフドームのケーブルを登るのも体力が消耗するので個人的にはあまりお勧めではありません。

今回、私が取った日程はビレッジからミストトレイル(ジョンミューアトレイル経由の場合は約8キロ)を6キロ登ったところにあるリトルヨセミテバレーのキャンプサイトに一泊して、翌日早朝にハーフドームに挑戦しそのままビレッジに戻るという1泊2日の日程でした。
この日程にした場合、登りが一番きついビレッジからリトルヨセミテバレー間を一日かけてゆっくり登ることができること、2日目早朝からハーフドームに挑戦できるため日帰り登山者が到着する前の人が少ない時間にケーブルに挑戦できるという利点があります。
特に二つ目は重要で、ケーブルには上り下りの区別がある訳ではないので、登山者が多い時間は渋滞してしまい時間もかかってしまいますし、危険度も増してしまいます。挑戦するなら是非この日程がお勧めです。

1日目:ビレッジ→(ジョンミューアトレイル経由)→リトルヨセミテバレー
 (距離:約8キロ)
2日目:リトルヨセミテバレー→ハーフドーム→リトルヨセミテバレー→(ミストトレイル経由)→ビレッジ
 (距離:約16キロ)
参考資料:トレイルマップ(国立公園公式サイトより)
http://www.nps.gov/yose/planyourvisit/upload/yosevalley-2011.pdf
地図右手がハーフドームへのトレイルです。

DSC_3011

歩き始める前日にハーフドーム及びバックカントリーパーミットを確保し、先日アップしたようなビレッジ内を軽めに散策。
事前に予約しておいたキャンプサイトに一泊して、いざハーフドームへの挑戦です。
トレイルヘッドからリトルヨセミテバレーへ登り始めましたが、このトレイルはネバダフォールなどを見に行くミストトレイルのデイハイカーも多いため、トレイルもしっかり整備されていて歩きやすいのですが、大きい荷物を背負ってるのと子供なども歩いているので少し歩きにくくもあります。
ここである小さい子供を連れたお父さんが子供に「Respect backpackers(バックパッカーを優先して)」と言って、道を譲ってくれたのが非常に気持ちよかったです。
バックパッカー(この言葉のアメリカでの意味は旅行者というよりはハイカーという意味の方が大きいです)の文化が確立されたアメリカらしいところだと感じました。

DSC_2999

途中から少し遠回りになるジョンミューアトレイルへ入りました。
時間の関係でジョンミューアトレイルはこの一部しか歩けませんでしたが、この後アメリカの国立公園を歩いていくうちに、この全長340キロにも及ぶアメリカを代表するロングトレイルはいつか歩いてみたい憧れのトレイルになりました。
急な登りを無事終えてリトルヨセミテバレーのキャンプサイトへ。
ジョンミューアトレイル上にあるこの気持ちのよいトレイルには、北からジョンミューアトレイルを歩いてきた生粋のバックパッカー達も泊まっており、非常に刺激的でした。近くにメルセー川が流れており汗を流すことも出来ます。

DSC_3036
ウルトラライトのハイカー。リトルヨセミテバレーにて。

2日目、暗いうちに起きて日の出とともに出発しました。
昼間は汗ばむぐらいに気温も上がりますが、早朝はひんやりとしていて長袖が丁度いいぐらい。
リトルヨセミテバレーからもハーフドームのとりつきまでは6キロほど登ります。ドキドキしならが最後の丘を登るとそこには絶壁としか思えないハーフドームが突然現れました。
正直な気持ちこの壁を前にした時、自分の中では恐怖と諦めの気持ちが大きくなっていました。
同じようにここまで来たけど止めとこうかなと言う欧米人の姿もありました。
なんとか自分を奮い立たせてゴム手袋をして登り始めました。

DSC_3054

DSC_3059

こう見てみると緩やかにも見えますが、登っている本人は絶壁を登っている感覚で、足で踏ん張るよりも腕の力で体を引きづり上げていく感覚でした。
登り続けること30分ほどでなんとか頂上へ立つことが出来ました。
高いところはあまり得意ではないのですが、達成感と高揚感のお陰か上からの眺めをじっくり楽しみ、とあるミッションも終えて、結局一時間以上も頂上に留まっていました。
というのも、登ったのはいいですが、降りるのも怖いという気持ちが心の片隅で引っかかっていながら、それと向かい合おうとしていなかったのだと思います(笑)
ずっと居座る訳にもいかないので、いざ下りはじめてみると登りの時よりも恐怖感はなかったですが、下りきった時に疲労感がどっとでてきて、日帰りだと相当キツいはずです。
リトルヨセミテバレーでテントなど荷物をまとめて、ビレッジまで一気に下っていきました。

ハーフドームに登れたという達成感もありましたが、それと加えてアメリカのバックパッキング文化の中心で少しでもそれに触れられたのが今後の旅の中でも大きなものになりました。

DSC_3099

DSC_3060

DSC_3081

<<ハーフドーム登山情報(2012年度)>>
ハーフドームは一日400名の入山制限があります。
内訳は日帰り登山者300名分とバックパッカー100名分です。
夏の観光シーズン(5月25日~10月8日、2012年度)の分は抽選が行われて早い段階で予約が埋まってしまいます。
ただし、登山日の2日前に約50名の追加枠とキャンセル分などを含めた枠が再度抽選で解放されます。
2日前の正午から午後1時まで抽選申し込みをして、その夜には抽選結果を受け取る形となります。
時間のない方はサンフランシスコ、マーセドでこの申し込みをして、抽選結果を受け取って翌日にヨセミテへ移動、その翌日にハーフドームへという日程も可能です。
料金は予約一件につき4.5ドル (ネット予約の場合)または6.5ドル (電話予約の場合)が予約時に発生し、公園で許可証を取得時に一人につき5ドルとなります。
詳しくはヨセミテ国立公園の公式サイトを。予約方法は年々変わってきてますので、最新情報は公式サイトを確認してもらうのが確実だと思います。
http://www.nps.gov/yose/planyourvisit/hdpermits.htm

私の場合は、登山日の2日前の11時にウィルダネスセンターを訪ねて、バックカントリーパーミットと合わせてハーフドームの許可を得ることが出来ました。
ウィルダネスセンターで申し込みは、あくまでバックカントリーパーミットと合わせてハーフドームパーミットを取得する場合に限られます。
日帰り登山の予定の方は上記の追加分とキャンセル分の再抽選への申し込みが必要です。

またハーフドーム入り口でレンジャーがパーミットのチェックを行っています。
無許可で登った場合は罰金の対象となりますので、必ず許可を取って登るようにしてください。

プチ情報として、バックカントリーパーミットを所持者のみ、入山日の前後一日づつをヨセミテバレーにあるバックパッカー専用のキャンプサイトを利用することが出来ます(一泊5ドル)。
ほとんどの地図には書かれてませんが、場所はノースパインズキャンプサイトの奥、川を渡ったロイヤルアーチの麓にあります。
ヨセミテのキャンプサイトは予約が必要で、且つ割高ではありますので、バスを利用してバックパッキングをする人にも活用しやすいと思います。


<<2013年度情報>>
「ハーフドーム、予約」などで当サイトを訪れる方が多いので、12年度版に訂正を加え、2013年度分の情報を追加しました。尚、デイハイカー向けとバックパッカー(バックカントリーで一泊される方)向けのパーミット取得方法は異なりますので、ご注意ください。
最新情報は公式サイトを確認してもらうのが確実だと思います。
http://www.nps.gov/yose/planyourvisit/hdpermits.htm

2013年度はハーフドームパーミットの枠が一日につき400名から300名分に減らされました。内訳はデイハイカー枠が約225名でバックパッカー枠が約75名となります。
また、料金は5ドルから8ドルへ値上げされています。(その他、予約一件につき4.5ドル (ネット予約の場合)、または6.5ドル (電話予約の場合)が手数料として発生します)

★日帰り登山をご計画の方(デイハイカー)
2013年年度のハーフドームパーミットのデイハイカーの枠は、3月の事前抽選によりすべて埋まってしまってますので、今からパーミットを取得希望される方は、登山希望日の2日前に行われる約50名の追加枠とキャンセル分の再抽選に申し込むことになります。
申し込み方法は昨年と同じで、登山計画の2日前にWEBか電話で申し込み、その日の夜(友人は翌朝にメールが来たそうです)に結果を受け取ることになります(電話の場合は翌朝)。
http://www.recreation.gov/permits/Cables_On_Half_Dome/
尚、昨年6月〜8月の再抽選された枠は一日平均86名分で、倍率は5倍ほどだったそうです。厳しい数字ですね。9月の平日などは、倍率は低くなるようなので狙い目だと思います。

6月に訪問した友人の話では、ヨセミテバレーのインフォメーションセンターでこの抽選申し込みを希望して、断られていた日本人の方が居たそうです。
この追加、キャンセル枠への申し込みは、必ずネット、または電話経由となりますのでご注意を!!

★バックカントリーでのバックパッキングをご計画の方(バックパッカー)
バックパッカーの場合は、バックカントリーパーミットと合わせてハーフドームパーミットを所得することができます。上記の通り、一日約75名分の枠があります。
この方法の場合は、定員を超えても割とフレキシブルに許可が取れているようですので、どうしてもという方にはお勧めです。
こちらは公式サイトの抽選に関するデータを集めたページですが、一番下のグラフがバックカントリーパーミットと共に取得されたハーフドームパーミットの数です。昨年は100名の枠があったのですが、それでも日によっては100名以上の許可が与えられているのが分かります。)
通常、バックカントリーパーミットは24週前から、ファックス(推奨)、電話、メールにて申し込みが可能です。申し込み時に、ハーフドームパーミット希望の旨を忘れずに。
http://www.nps.gov/yose/planyourvisit/wpres.htm
尚、この場合のハーフドームパーミットには日付は指定されておらず、バックカントリーパーミットの有効期限内であればいつでも利用可能です。

また、事前に予定が立てにくいという方は、ヨセミテバレー到着後の申請も可能です。
現地申し込みのバックカントリーパーミット(first-come, first-served permit)は、バックカントリーに入る前日の午前11時よりウィルダネスセンターにて取得が可能ですので、併せてハーフドームパーミットを申請してください。
11時前には他のバックパッカー達が並び始めますので、早めにウィルダネスセンターへ行かれることをお勧めします。

GOOD LUCK!!!!

※2013年6月24日追記&改訂



DSC_3192

DSC_3147

DSC_3040

DSC_3051

DSC_3053

予約の確保などハーフドームへのハードルは年々高くなっていますが、上からの景色と達成感は格別です。
しっかり準備をしてハーフドームを楽しんでください。

次は理想の森、ジャイアントセコイアの森、マリポサグローブです。

D7000 + 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR

http://www.flickr.com/photos/powerwoods/sets/United States/
写真随時更新中!
by powerwoods | 2012-12-24 17:39 | United States