旅をする木
「人間の気持ちとは可笑しいものですね。どうしようもなく些細な日常に左右されている一方で、風の感触や初夏の気配で、こんなにもゆたかになれるのですから。人の心は、深くて、そして不思議なほど浅いのだと思います。きっと、その浅さで、人は生きてゆけるのでしょう。」
星野道夫『旅をする木』より
プロローグ的なこの一節を読んで、はっ、と、あぁこの人の感性と言葉好きだわ。と感じ、そんな第一印象が変わらぬまま、久しぶりにすっと文庫一冊を読むことができました。
読み始めたら止まらない!という急性中毒的な魅力ではなく、一語一句じっくり味わっていたい慢性(?)中毒的なジンワリした魅力のある不思議な本でした。
一本の木の「旅」のエピソードを交えた表題作「旅をする木」も素敵ですが、星野氏がアラスカまでたどり着くまでの諸々のエピソードを読むと何故か体がウズウズしてきます。
ああ、やっぱり旅っていいよねと。
四季と幸せに溢れた一作。
冬を愛でたくなり、春が待ち遠しいくなります。
gp.ちゃん遅ればせながらグラシアス!
写真は雪国みたいな…我等が地元の風景…。
朝、家の裏の杉林が真っ白で、ゾッとするほど綺麗でしたが、こんな日は道路が凍結するのでバタバタと家を出て写真を撮り忘れてしまいました。
まあ、遅刻せずに行けたのでヨカッタですけど。
では。
旅をする木 (文春文庫)
星野 道夫 / / 文藝春秋
ISBN : 4167515024
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by powerwoods
| 2008-01-22 01:19